公称値が信頼に欠ける点とダラ落ちする光量が問題だが、軽量であるためLWR値は平均より高い
取り付け位置がハンドルバーの下側専用というモデルです。
Contents
総評
後述の計測の結果を踏まえ、まず、このライトの良い点・いまいちな点、およびおすすめできる人について記載します。
✅良い点
・重量に比して点灯時間が11時間超(Middleモード)と長い。
❌いまいちな点
・点灯の開始から終了まで、光量が継続的に落ちていく。
・点灯直後含め公称ルーメンに達しないMiddleモードの光量。Hiモードも点灯開始後40分間程度しか公称ルーメンを上回らない。
このライトはこういう人におすすめ
長時間(10時間+)の補助灯用途のライトを求める人
ライトの絶対的な軽量さを重視する人
なお、Lowモードは計測対象から除外しました。公称での光量が小さく(50ルーメン)、かつ非常に長い点灯時間(40時間)であるため、利用用途の少なさと検証の困難さを考慮しました。
計測結果の概要
ライトの計測結果の概要として、(実測)ルーメン総出力・ウェイト・レシオ(LWR)の値を取り上げます。
このLWRは光量(全光束)・点灯時間・ライト重量のすべてを加味した、総合的な性能を表す指標です。
また、LWRを他のライトと相対的に比較した偏差値も記載します。
(偏差値は他のライトの評価結果が増えるにつれ、今後も随時変動します)
モード | (実測) ルーメン総出力 ・ウェイト ・レシオ (LWR) | LWR偏差値 |
---|---|---|
Hi | 10.63 | 54 |
Middle | 11.59 | 57 |
トータルの出力光量と点灯時間、および重さを加味した性能は他の製品の平均を上回っています。
固定具を含めたライトの絶対重量が116gと、充電式ライトとしては軽量であることが効いていると思います。
点灯時間と平均ルーメン
点灯時間
モード | (公称) 点灯時間 | (実測) 点灯時間 |
---|---|---|
Hi | 7 | 6.58 |
Middle | 9.5 | 11.32 |
Hiモードの点灯時間は公称値を8%ほど下回っています。
Middleモードでは実測点灯時間が公称時間を20%ほど上回っています。
平均ルーメン
モード | (公称) ルーメン | (実測) 平均 ルーメン |
---|---|---|
Hi | 260 | 187 |
Middle | 200 | 119 |
いずれのモードでも実測平均ルーメンが公称値を大幅に(-32%および-40%)下回っています。
計測結果の詳細
① Hiモード (公称: 260ルーメン・7時間)
実測ルーメンが公称値を上回っているのは、点灯開始直後の約40分間のみです。
かつ、ルーメン値が一定値で安定することはなく、点灯終了まで一貫して光量が落ちていきます (いわゆるダラ落ち)。
② Middleモード (公称: 200ルーメン・9.5時間)
点灯直後でも実測ルーメンが公称値を下回っています。
かつ、Hiモードと同様に、点灯終了まで継続的に光量が落ちていきます。
点灯終了直前では50ルーメンを下回っています。
利用用途によっては実用的ではない光量です。
まとめ
公称ルーメン値の信頼度が低い製品です。キャットアイの製品にしては異例だと感じます。
また、使用中に光量が落ち続けます。点灯終盤は公称ルーメン値より大幅に低い光量となります。利用にあたっては注意が必要です。
ただし、絶対的な重量が軽いため、ルーメン総出力・ウェイト・レシオ (LWR) の値は平均的なライトの水準を上回っています。
補助灯やデイライトなど、適した利用用途もある製品だと思います。
(参考) 基本スペック
名称
品名 | 型番 | メーカー名 |
---|---|---|
GVOLT70 | HL-EL551RC | Cateye |
重量
(実測)グラム数にはバッテリー・アタッチメントの重量を含む。
(公称)グラム数にそれらの重量を含むかはメーカーにより異なる。
(実測)グラム数 | (公称)グラム数 |
---|---|
116 | 96.5 |
その他スペック
(公称)防水・防塵等級 | 充電端子 | バッテリータイプ |
---|---|---|
IPX4 | Micro USB | 内蔵 |
(参考) パッケージングおよび本体
「対向車に優しい上カット配光」「下側取付専用モデル」という点が売りとなっている製品です。
サイクルコンピューターなどで空間の取り合いとなるハンドル上側を有効に使える点でメリットがあると思います。
同梱物一式。
固定具込みの重量は116gです。
内訳はライト本体が98g、固定具 (Flextight) が18gです。
充電式ライトとしては軽量です。
USB端子はライトの向きと水平の方向についています。
他のライトではハンドルバー下側取り付けにした場合、USB端子側が上を向くものがあります。そのような取り付けでは端子の防水性に難点があります(VOLT800など)。
GVOLT70はその問題を避ける作りになっていると思われます。
他の機種では、ハンドル下側取り付けにした場合にスイッチとインジケーターが下方向を向く製品が多く、ライトの点灯状態やモードが容易には判別できなくなります。一方でGVOLT70ではスイッチ兼インジケーターも上部についているため、操作性とライトモードの視認性が良いです。
メーカーの製品情報と販売サイトへはこちらから
品名 (レビューへのリンク) | メーカー名 (製品ページへのリンク) | 販売サイトへのリンク | |||
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GVOLT70 (HL-EL551RC) | Cateye (キャットアイ) |
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