遺跡から発掘された自転車ライト

bikelights

テクニカルな内容ではなく息抜きです。

鎌倉・逗子方面でサイクリングをした帰りに地図を眺めていたところ、逗子の池子にある自然公園が緑が多くて良さそうなので、寄ってみることにしました。

自然公園地域への入り口です。公園全体が米軍との共同管理のようです。

ちなみにこの写真の右側に米軍の住宅地域へのゲートがあるのですが、そちらにスマホのカメラを向けた瞬間に「写真撮影はお控えください!」と守衛の方に注意されました。

この道を進んで緑豊かな地域の手前まで来ましたが、残念ながら閉鎖中とのことで、中に入ることはできませんでした。
しかし、管理地区内に「池子遺跡群資料館」という建物を見かけたため、入ってみることにしました。
この地域で発掘された出土品を展示しています。

建物の3階に展示室があります。

縄文、弥生以降の土器、石器などがあります。
子孫繁栄や豊作祈願の祭礼に使われた石の棒なども展示されていました。

と書くと、よくありがちな考古学的な展示室なのですが、ここが非常に珍しいと思ったのは昭和初期の出土品が置いてあることです。

なぜここに戦前の品が発掘品としておいてあるか?ですが、軍が強制的に地域を接収したためだそうです。そのあと長いこと人が立ち入らない区域になっていたため、昭和初期の品が良好な状態で残されたようです。立ち退き時は世帯によっては4〜5日で移転させられたそうです。家財道具をまとめて動かす時間もないまま、住んでいた家が取り壊されたのだと思います。

出土品の中で目を引いたのは、自転車のライトと鍵付きチェーンです。

現代のライトに比べるとだいぶいかついです。後世のダイナモ式ではなく乾電池式でしょうか。
それとチェーンはデザイン的には洒落ていて、最近のものと基本構造は同じに見えます。

おそらく戦前だと自転車のこういった用品も高級な品だったのではないかと思います。むかし映像版の「二十四の瞳」で、自転車に乗っている先生が村でハイカラな人だと見られた場面を思い出しました。

そういう大事な品をそのまま放棄して立ち退きさせられたというのは、人権も何もあったものではない時代であったことをあらためて印象付けます。
いままだ軍がいたとして、それに家を壊されて、あと数十年後にVOLT800を発掘される場面をちょっと想像してみました。
・・世界平和を祈願せざるを得ません。