【ルーメン(全光束)実測レビュー】 LEZYNE (レザイン) LITE DRIVE 1000XL

点灯時間の前半は公称値以上の実測ルーメン、後半はバッテリー持続時間を引き延ばすかように低光量

海外のサイクリングイベントではレザインのライトをよく見かけました。世界的にはシェアの高いメーカーです。
1000ルーメンという十分な明るさを謳っているこのモデルを評価しました。

Contents

総評

後述の計測の結果を踏まえ、まず、このライトの良い点・いまいちな点、およびおすすめできる方について記載します。

✅良い点
・点灯中のおよそ前半の長い時間にわたって公称ルーメンよりも明るい
・過度に発熱した場合の安全機構付き

❌いまいちな点
・ライトの重量に比べてトータルの光量と持続時間が平均より若干劣る
・終盤は点灯時間を公称値にまで無理に引き伸ばすかのように暗くなる
・安全機構のために、点灯開始後4〜5分しか持たなかった最大光量(1000ルーメン)モード
　→1000ルーメンという公称値で使用できるシーンは極めて限定的

このライトはこういう人におすすめ
短時間のライド中心の人
安全機構を含めたライトの信頼感を求める人

計測結果の概要

ライトの計測結果の概要として、(実測)ルーメン総出力・ウェイト・レシオ(LWR)の値を取り上げます。
このLWRは光量(全光束)・点灯時間・ライト重量のすべてを加味した、総合的な性能を表す指標です。
また、LWRを他のライトと相対的に比較した偏差値も記載します。
（偏差値は他のライトの評価結果が増えるにつれ、今後も随時変動します）

モード	(実測) ルーメン総出力・ウェイト・レシオ (LWR)	LWR偏差値
BLAST	8.14	45
ENDURO	8.47	47
ECONOMY	8.71	47

このライトのLWR偏差値はいずれのモードでも50をわずかに下回っています。
光量・点灯時間・重量が総合的に見て、他のライトを含めた平均には若干及ばないことを意味します。

点灯時間と平均ルーメン

点灯時間についてです。

モード	(公称) 点灯時間	(実測) 点灯時間
BLAST	3	2.7
ENDURO	5.5	5.3
ECONOMY	9	8.39

いずれのモードも公称時間を下回りますが若干の差です。

次に平均ルーメンです。

モード	(公称) ルーメン	(実測) 平均ルーメン
BLAST	500	461
ENDURO	250	244
ECONOMY	150	159

公称値に近い値が持続しています。
平均ルーメンがこれほど公称ルーメンに近くなるライトは比較的少ないです。

計測結果の詳細

このライトには6種類もの点灯モードがあります。

評価対象としたのは1000ルーメン(OVERDRIVE), 500ルーメン(BLAST), 250ルーメン(ENDURO), 150ルーメン(ECONOMY)の各モードです。
(点滅モード、および点灯のうち暗い15ルーメンのモードは評価から除外しました。)

① OVERDRIVEモード (公称 1000ルーメン・1時間30分)

持続時間が極めて短く、複数回計測しても、発熱の安全機構が働くためか4〜5分間程度で光量が急減しました。

説明書には以下の「ライトの温度が高過ぎると、自動的に低出力設定に切り替わります」との記載があります。
そのため、通風をより良くした状態に変えて再計測しましたが改善しませんでした。
冬季の屋外での実走時はより長く持つ可能性があります。

極めて短時間の点灯であったため、光量・点灯時間の評価対象からこのモードを除外しました。

② BLASTモード (公称： 500ルーメン・3時間)

実測点灯時間は2時間41分です。
ただしこの時間は初期光量の1/10になるまでの時間です。
実際には2時間22分の段階で大幅な光量減少が起きています。実用面ではこれをライトの継続時間と捉えたほうが良いです。

③ ENDUROモード (公称： 250ルーメン・5時間30分)

実測点灯時間は5時間18分です。このモードにおいてもより早い4時間44分の段階で大幅な光量減少が起きています。

④ ECONOMYモード (公称： 150ルーメン・9時間)

実測点灯時間は8時間23分です。それに先立って7時間30分ごろから急速な光量低下が始まっています。
点灯開始後5時間ごろまでは公称値より強いルーメン値を維持しています。

まとめ

後半は点灯時間を引き伸ばしたいためか、急激な光量低下が起きます。
夜間走行時間の長いロングライドでは注意が必要です。
十分に明るい時間は、公称点灯時間の8割程度を想定する必要があります。
一方で通勤など短時間で、かつこまめに充電する使い方をするのであれば、初期光量が多いというメリットが得られるライトです。