【ルーメン(全光束)実測レビュー】 LUMINTOP B01

安定した光量が持続する、バッテリー交換が可能なUSB type C対応ライト
マイナーチェンジ後の21700電池同梱・USB type C対応版を評価しました。
また、市販の他の21700バッテリーに交換した場合の光量と点灯時間も計測しました。

Contents

総評

後述の計測の結果を踏まえ、まず、このライトの良い点・いまいちな点、およびおすすめできる人について記載します。

✅良い点
・点灯開始から終了までほぼ同一の非常に安定した光量が持続する。
・複数種類のバッテリー(18650/21700/CR123A)が利用可能。

❌いまいちな点
・点灯時間が取扱説明書に記載の公称値より顕著に(1〜2割)短い。ルーメン値も公称値を下回る。
・大幅に暖色寄りの光であるため、シャープな白色〜青白い色を好む人には合わない場合あり。
・ライト本体をオフにしても点灯し続けるインジケーター。

このライトはこういう人におすすめ
・安定した光量のライトを求める人。
・USB type Cによる充電と、予備バッテリーへの交換メリットを得たい人。

評価にあたっての補足
このライトの点灯モードはTurbo・High・Mid・Lowがありますが、Lowモードは評価から除外しました。理由は低光量(公称15ルーメン)かつ非常に点灯時間が長く続く(>200時間以上)仕様のためです。利用用途の少なさと検証の困難さを考慮しました。
また、この製品の公称スペックは、取扱説明書とLUMINTOPのサイトで異なる値が記載されています(2022/4/24現在)。公称値としては取扱説明書に記載の値を採用しました。

計測結果の概要

計測結果の概要として、(実測)ルーメン総出力・ウェイト・レシオ(LWR)の値を取り上げます。
このLWRは光量(全光束)・点灯時間・ライト重量のすべてを加味した、総合的な性能を表す指標です。
また、LWRを他のライトと相対的に比較した偏差値も記載します。
(偏差値は他のライトの評価結果が増えるにつれ、今後も随時変動します)

モード(実測)
ルーメン総出力
・ウェイト
・レシオ
(LWR)
LWR偏差値
Turbo9.3850
High9.9951
Mid12.8161

Midモードは他の機種と比較して良好なLWRを発揮しています。
TurboとHighは平均的な値です。

点灯時間と平均ルーメン

点灯時間

モード(公称)
点灯時間
(実測)
点灯時間
Turbo4.023.67
High53.93
Mid11.259.67

Turboモード・Highモード ・Midモードの点灯時間は、それぞれ公称値より9%・21%・14%ほど短い値となっています。 
公称の点灯時間を伸ばすために明るさを低く抑えるライトは多く存在します。しかし点灯時間そのものが顕著に短いライトは比較的少ないです。

平均ルーメン

モード(公称)
ルーメン
(実測)
平均
ルーメン
Turbo900473
High550470
Mid260245

いずれのモードも実測のルーメン値が公称値を下回っています。ただしMidモードではその差はわずかです。
なおTurboモードは短時間の間のみ高い光量(公称900ルーメン)を出す前提のモードです。そのためか平均ルーメンはHighモードとTurboモードで近い値となっています。

計測結果の詳細

(1) Turboモード (公称: 900ルーメン・4時間1分)

点灯開始時点では瞬間的に公称値に近い光量が出ていますが、6分間かけて急減します。
そのあとは点灯終盤まで、公称値の半分強の約460ルーメンで継続します。

なお取扱説明書の記載では温度制御が働くとされており、Turboモードの光量もそれで急減していることが考えられます。

(2) Highモード (公称: 550ルーメン・3時間30分)

公称ルーメン値を下回ってはいるものの、約470ルーメンの安定した光量が点灯終盤まで続きます。

(3) Midモード (公称: 260ルーメン・11時間15分)

公称ルーメン値を若干下回ってはいるものの、ライトが消える瞬間までほぼ245ルーメンの安定した光量が持続します。
点灯時間は公称値を90分以上下回っています。ただし絶対的な時間として9時間39分は十分長い時間です。実測値が他の平均的なライトより短いということはなく、公称値がより正確であれば良かった、という印象です。

色温度の評価

このライトは見てすぐわかるレベルの暖色系の光となっています。


そのため、色温度についても確認しました。

LUMINTOP B01 色度図 色温度3968K

十字の印がかなり赤色寄りであることがわかります。
色温度は3,968Kです。先日評価した際に暖色系と感じたRN800の5,647Kに比べてもはるかに赤味を帯びた色に感じます。

他社製のバッテリーへ変更したらどうなるか?の評価

このライトはバッテリー交換式のため、他社(Samsung)のバッテリーに交換した場合に性能はどのようになるのか?を評価しました。

安定した光量で発光し続ける点は標準バッテリーと変わらない結果となりました。
ただし、点灯時間・ルーメン値の優劣が、点灯モードによって異なる
ことがわかりました。

まず、以下は標準添付の同梱バッテリーです。3.7V 5000mAhと記載があります。
サイズ的にも、これは21700電池です。
ちなみに、2022年2月の購入当時のAmazonでの販売情報では18650という記載があったため、当初は18650電池が添付されていると思い込んでいました。


この青色のバッテリーが今回試したSamsung製21700です。
Yahoo!ショッピングのネット通販で買った品です。Black Wolfという会社がSamsungのバッテリーを日本国内の販売向けに再パッケージした品のようです。
大きく5000mAhと記載されていますが、裏側にある小さい字の定格容量には4900mAhと書かれています。

重量は72gです。標準のバッテリーより2g重い品です。

このバッテリーの光量推移は以下です。
変動のほとんどない安定した光量である点は標準バッテリーと同様です。ここではHighモードのみ掲示しますが、他のモードも安定した光量推移でした。


このSamsungバッテリーと標準バッテリーの点灯時間・平均ルーメンを比較しました。

点灯時間の比較

モード(公称)
点灯時間
標準21700
(実測)
点灯時間
Samsung21700
(実測)
点灯時間
Turbo4.023.673.39
High53.934.27
Mid11.39.678.50

平均ルーメンの比較

モード(公称)
ルーメン
標準21700
(実測)
平均ルーメン
Samsung21700
(実測)
平均ルーメン
Turbo900473468
High550470492
Mid260245234

不思議なことがわかります。
TurboとMidでは、点灯時間・平均ルーメンともに
標準21700 > Samsung21700
です。
一方、Highでは
Samsung21700 >標準21700
という結果でした。

バッテリーの充電不備や計測誤りの可能性もあり、最も多用するであろうMidモードはSamsungで2回計測しましたが、ほぼ同様の値でした。
バッテリーの放電特性の違いにより、最適な点灯モードがあるのかもしれません。

このように同種の21700バッテリーでも点灯時間や明るさが変わります。その点は予想通りでしたが、加えて、バッテリーによって最適な点灯モードも異なる場合があります。
別売バッテリーを買う場合は留意する必要があります。


なお私自身21700バッテリーを個別に購入したのは初めてだったのですが、選定の難しさを感じました。
Amazonで検索すると、中国製の18650/21700が大量に売られていることがわかります。
しかし、安全保護回路の有無や、そもそものバッテリーの出来など、どれを選ぶべきか不安な面があります。乾電池と比較して電圧が高いため、取扱時の絶縁もケアが必要となります。
キャットアイのVOLTシリーズのようにオプションバッテリーが正規品として販売されているのと比べて、21700のような汎用リチウムイオンバッテリーを選び使用するのはハードルが高い、と今回感じました。

まとめ

非常に安定した光量が継続するライトです。
特にMidモードは光量に比して点灯時間も長く、便利な場面は多く存在すると思います。

惜しいのは、どのモードも公称値が若干過大であるという点です。
実測した値をそのまま説明書やサイトに記載してほしいところです。

光はかなり暖色系ですので好みはわかれると思います。

(参考) 基本スペック

重量
(実測)グラム数にはバッテリー・アタッチメントの重量を含む。
(公称)グラム数にそれらの重量を含むかはメーカーにより異なる。

(実測)グラム数(公称)グラム数
185101

その他スペック

(公称)防水・防塵等級充電端子バッテリータイプ
IP68USB Type-C付属21700電池

(参考) その他本体仕様

実測重量は185g。ライト本体が150g。
アタッチメントは他機種に比べると重めで35gもあります。例えばキャットアイの固定具(Flextight H-34N)は18gです。

同梱物一式。


充電はUSB Type-Cです。
市場ではまだmicro USBの機種が多く、USB-Cは便利かと思います。
Amazonのレビューを確認すると、以前はmicro USBであったのが2022年2月までにUSB-Cへ変更されたようです。なお説明書の記載では最大2Aで充電する仕様となっています。

気になるのは、電源をオフにしている間も、インジケーターは緑色に点きっぱなしであることです。
何日も置いておいてもこのように緑色のウサギが点灯し続けます。
なぜこのような仕様になっているのかは不明です。
おそらく非常に消費電力は少ないため問題なしと判断されたのかと思います。
しかし、できるだけ満充電にした状態から使用を開始したいと思うので、あまりいただけない仕様かと感じます。


高温への保護について、取扱説明書の日本語部分と英語部分で異なる内容が記載されていることに気づきました。
英語部分では、Turboモードで過熱保護が働いて出力がダウンシフト場合、「必要があればリセットすることができる」と書かれています。これは実際の使用において、Turboモードは点灯直後のみ高い光量を出すことができる、という意味だと解釈しています。

一方で日本語ではヘッド部の温度が55℃を超えたあと「温度が55℃以下に下がったら、出力が再度上がっていきます」と書かれています。

実際にはTurboモードで点灯直後のみ高い光量が出たあと、再度出力の上昇はなかったため、日本語で書かれている上記の仕様は誤っているようです。

メーカーの製品情報と販売サイトへはこちらから

品名 (レビューへのリンク)メーカー名 (製品ページへのリンク)販売サイトへのリンク
B01 (included 21700 battery)

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