公称スペックを満たす高いルーメン値は点灯直後のみ発揮する。点灯時間中に出力する光の総量は他機種と比較して良好。
Contents
【総評】 RN1500の良い点・いまいちな点・おすすめできる人
後述の計測の結果を踏まえ、まず、このライトの良い点・いまいちな点、およびおすすめできる人について記載します。
✅良い点
- LOWモードは点灯時間中の大部分の光量が公称値以下 (200lm弱) ではあるものの、絶対的な点灯時間が13時間程度と長い。
- HIGH モードは約2時間にわたり1000ルーメン強という大きな光量が持続する。
❌いまいちな点
- いずれのモードにおいても、公称ルーメン値を充足する光量は点灯直後の30分未満しか続かない。そのあとは公称値に全く届かない光量が継続する。
このライトはこういう人におすすめ
- 一晩を越す長時間点灯のライトが必要で、明るさの不足への対応としては2灯を併用することができる人。
- 2時間以下のライドで大きな光量を必要とする人。
【計測結果の概要】 総合性能 (LWR) は良好
計測結果の概要として、(実測)ルーメン総出力・ウェイト・レシオ(LWR)の値を取り上げます。
このLWRは光量(=ルーメン値=全光束)・点灯時間・ライト重量のすべてを加味した、総合的な性能を表す指標です。
また、LWRを他のライトと相対的に比較した偏差値も記載します。
(偏差値は他のライトの評価結果が増えるにつれ、今後も随時変動します)
モード | (実測) ルーメン総出力 ・ウェイト ・レシオ (LWR) | LWR偏差値 |
---|---|---|
HIGH | 13.38 | 62 |
MEDIUM | 14.52 | 66 |
LOW | 14.37 | 66 |
いずれのモードもLWR偏差値が60を超えています。
このライトが点灯時間中に出すトータルの光量はライトの重量の割に大きく、性能は他機種の平均と比べて優れています。
【点灯時間と平均ルーメン】 スペックより長く点灯するものの、平均ルーメンが公称値より3割〜4割小さい
(1) 点灯時間
モード | (公称) 点灯時間 | (実測) 点灯時間 |
---|---|---|
HIGH | 1.6 | 2.14 |
MEDIUM | 4 | 5.59 |
LOW | 12.5 | 13.11 |
いずれのモードも、公称値を上回る点灯時間です。
(2) 平均ルーメン
モード | (公称) ルーメン | (実測) 平均 ルーメン |
---|---|---|
HIGH | 1500 | 1121 |
MEDIUM | 750 | 465 |
LOW | 300 | 196 |
実測平均ルーメンは公称値の62%〜75%止まりです。
【計測結果の詳細】いずれのモードも点灯直後に光量が急減する
(1) HIGHモード (公称: 1,500ルーメン・1時間36分)
実測点灯時間は2時間8分です。
点灯した直後からおよそ30分かけて急激に光量が減少します。
その後、公称ルーメン値より低いものの、1,000ルーメン強の光量が続きます。
(2) MEDIUMモード (公称: 750ルーメン・4時間)
実測点灯時間は5時間35分です。
HIGHモードと同様に、点灯した直後からおよそ30分かけて急激に光量が減少します。公称ルーメン値を上回っているのは点灯から20分間です。
そのあとも段階的に光量が減少していきます。
(3) Lowモード (公称: 300ルーメン・12時間30分)
実測点灯時間は13時間6分です。
点灯した直後からおよそ30分間で急激に光量が減少します。公称ルーメン値を上回っているのは点灯から17分間です。
急減後の光量は安定しているものの、公称ルーメン値より低い200ルーメン弱が続きます。
【まとめ】点灯時間中のトータルの出力光量が大きく、LOWモードの点灯時間が長いというメリットがあるライト/一方で初期光量の急減と公称スペック以下の持続光量に注意が必要
点灯時間中に発生するトータルの光量が大きく、対重量での性能も良好です。
また、LOWモードは200ルーメン弱の光量が13時間も持続します。
一方で、いずれの点灯モードでも、最初の約30分で光量が急減します。
データの再掲となりますが、以下にLOWモードの冒頭1時間の光量推移をピックアップします。
短時間で4割ほど光量が減少します。
夜間のライド開始時に十分な明るさを感じたとしても、気づいたらライトが暗くなっている、ということが起こりえます。安全な走行の観点で注意が必要です。
またLOWモードは公称300ルーメンですが、実際には大部分の時間において200ルーメン弱の光量です。この光量では高速の下りなどでは不足を感じる方もいると考えます。
夜通し走行する場合は2灯を併用することをお勧めします。
なお、以前RN800のレビューで取り上げた、RN1500とRN800のLowモードでのルーメン値比較グラフを以下に再掲します。
RN800はRN1500と異なり初期光量の急減がありません。加えてLowモードでの点灯時間はRN1500より短いものの1.5倍以上の光量が持続します。RN1500よりRN800のほうがより適している状況は多くあります。
(参考) 基本スペック
名称
品名 | メーカー名 |
---|---|
RN1500 | OLIGHT |
重量
(実測)グラム数にはバッテリー・アタッチメントの重量を含む。
(公称)グラム数にそれらの重量を含むかはメーカーにより異なる。
(実測)グラム数 | (公称)グラム数 |
---|---|
179 | 172 |
その他スペック
(公称)防水・防塵等級 | 充電端子 | バッテリータイプ |
---|---|---|
IPX7 | USB Type-C | 内蔵 |
(参考) 本体仕様
実測重量は179g。
内訳はライト本体が164g、アタッチメントが15g。
取扱説明書と本体です。マウント、ストラップ、ケーブルはRN800,RN400と同じです(ロットにより差異がある可能性はあります)。
取扱説明書に記載されている公称スペックです。
なお、300lm, 750lm, 1500lmの各公称ルーメン値は、実測した点灯直後の明るさとしては発揮できています。
携帯型ライトの性能評価規格である ANSI/PLATO FL1 Standardの測定方法は初期(点灯後30〜12秒後)のルーメン値を採用することとなっていることになっています。そのため、この規格をもとにした場合、公称ルーメンは誤った値ではない、ということになります。
メーカーの製品情報と販売サイトへはこちらから
品名 (レビューへのリンク) | メーカー名 (製品ページへのリンク) | 販売サイトへのリンク | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
RN1500 | OLIGHT (オーライト) |
コメントを残す