【ルーメン実測レビュー】 Cateye (キャットアイ) URBAN2

Cateye URBAN2 title

実測ルーメン値は小さいものの、入手容易な乾電池と長時間駆動の利便性によりデイライトや補助灯として適している

2022年現在ではリチウムイオン電池を用いた充電式ライトが主流となっています。
しかし、乾電池式のライトはいまも販売されています。

参考に、キャットアイの自転車用フロントライトのラインアップとしてサイトに記載されている全17機種のうち、大部分の14機種は充電式です。
乾電池式ライトはわずか3機種となっています(2022年6月現在)。
それらの機種のうち、型番がHL-EL1**となっている機種は、2006年から売られている非常に息の長いシリーズです。

(以下キャットアイ社のTwitterアカウントから)


今回は上記シリーズの最新式である乾電池式のキャットアイのURBAN2 (HL-EL160) について、製品の特徴と点灯性能をレビューしました。
同じキャットアイの低価格の充電式ライトであるAMPPシリーズとも比較を挙げます。

Contents

【総評】 URBAN2の良い点・いまいちな点・おすすめできる人

後述の評価と計測の結果を踏まえ、まず、このライトの良い点・いまいちな点、およびおすすめできる人について記載します。

✅良い点

  • 点灯時間が他のライトと比較して非常に長い (最大30時間超)。
  • コンビニ等での入手が容易な乾電池を用いるため、不意のバッテリー切れが発生しても対処が容易で安心感が強い。
  • 前機種から改善した電池蓋の構造となり、加えて防水性能が変更となっている。

❌いまいちな点

  • 光量がダラ落ちしていく。絶対的な明るさも夜間のメインライト用途には向かない。

このライトはこういう人におすすめ

  • デイライト・ヘルメットライト・緊急用のバックアップなど、補助灯として用いる人。
  • 乾電池の入手容易性を重視する人。

【構造】 前機種より確実に乾電池の蓋を装着でき、防水性能が変更となったURBAN2

URBAN2は入手が非常に容易なアルカリ単三乾電池2つを使用するライトです。
(なお写真ではアルカリ電池ではないエネループプロが写っています。電池の適合性については後述します。)

Cateye URBAN2 parts

装着はダイヤル式ロックを用います。
そのため、電池室を密封するようにしっかりと締め付けることが可能です。
雨水の侵入に対しては見た目からも安心感があります。

Cateye URBAN2 dial

(ちなみになぜ前述の写真とこの写真でライト本体の色が違うかというと、私が複数のURBAN2を所有するためです。)

防水性を発揮するためにはしっかりとカバーを装着する必要があります。
その指示が説明書に入っています。

Cateye URBAN2 caution text


この装着を確実に行っていないと、以下のように簡単に隙間ができるので注意が必要です。

Cateye URBAN2 bad tightening



前機種のURBANまでは、以下のように電池室の蓋が単純なスライド式のものでした。
(なおURBANも2022年5月現在において販売中の機種です。)
この蓋は簡単に外れやすい構造でした。
隙間が開く可能性があるため、私が長距離ライドでURBANを補助灯として用いる際は、カバーの脱落と雨水の侵入を防ぐために、ビニールテープで隙間を覆って防護していました。

Cateye URBAN body and cover

防水性能は前機種のURBANが IPX4 (水の飛沫に対して保護) であった一方、URBAN2ではIPX7 (一定条件の水没に対しても影響がないように保護) へ変更となっています。

ちなみにこのダイヤル式となっているのは、キャットアイの乾電池式尾灯であるTIGHTでも同様です。TIGHTも防水性はIPX7です。

Cateye TIGHT parts



使用電池についての補足
前述のURBAN2の写真では単三のエネループプロ(ニッケル水素電池)を装着しています。
この電池を私自身URBAN2で常用しており何の問題もなく使えています。
ただし、メーカーの推奨は「アルカリ乾電池推奨」「二次電池(充電式電池)は、動作保証対象外」と記載されています。エネループ等の充電池の利用は自己責任となります。

なお後述の計測では、開封直後の未使用のURBAN2にて、アルカリ乾電池 (パナソニック)の新品を利用しています。

【計測結果の概要】 総合性能はリチウムイオンに大きくは劣らない

ライトの計測結果の概要として、(実測)ルーメン総出力・ウェイト・レシオ(LWR)の値を取り上げます。
このLWRは、出力された光の総量をライトの重量で割った値です。
光量(全光束)・点灯時間・ライト重量のすべてを加味した、総合的な性能を表す指標です。
また、LWRを他のライトと相対的に比較した偏差値も記載します。
(偏差値は他のライトの評価結果が増えるにつれ、今後も随時変動します)

モード(実測)
ルーメン総出力
・ウェイト
・レシオ
(LWR)
LWR偏差値
-8.0745

トータルの出力光量と点灯時間、および重さを加味した総合的な性能は、他の製品と比較して平均より若干劣る程度です。
現在アルカリ乾電池の使用ライトは主流ではないですが、リチウムイオン電池の機種と比較して大きな性能差はないです。

【計測結果の詳細】 非常に点灯時間は長いがダラ落ちしていく光量

このライトの点灯モードは1つのみです。
非常に長く点灯し、32時間も持続します。
ただしこの時間は点灯初期のルーメン値が1/10に達するまでの時間です。
実測でのルーメン値が公称値より高かったのは、点灯直後の52分間です。
点灯中の大部分の時間において、公称の50ルーメンに届いていません。
点灯開始直後からルーメン値が減少し続けます。いわゆるダラ落ち型のライトです。
後半は公称値の半分以下の光量となります。

このルーメン値では、夜間のライドでメインライトとして使用できるシチュエーションは限られます。
デイライト・補助灯としての用途であっても、30時間近くの点灯時間は前提としないほうが良いです。

【他機種との比較】価格帯が近い充電式ライトと比べると、ルーメン値と光量の安定さが劣る

このURBAN2との比較のため、キャットアイの機種で比較的近い価格帯のライトであるAMPP300と、光量推移の比較を行ってみます。

AMPP300で最も点灯時間が長いLowモードのルーメン値推移は以下です。


点灯時間は9時間24分とURBAN2の1/3以下であるものの、点灯時間全域にわたってURBAN2より大幅に高い140ルーメン程度の光量を発揮しています。

10時間以上のライドでもURBAN2は点灯し続けます。しかし大幅に光量が減少していきます。
9時間程度までのライドではURBAN2ではなくAMPP300のほうが、3倍以上大きくかつ安定したルーメン値のメリットを得られます。

【まとめ】 性能は最新の充電式に比べていま一歩だが、サイクリング先で乾電池が使える安心感は大きい

30時間以上点灯しますが、大部分の時間は公称より大幅に低いルーメン値であり、かつ徐々に光量が減っていきます。
最新のリチウムイオン式充電池を積んだ他機種と比較すると光量とその安定性が見劣りします。

しかし、サイクリングした際の出先において、コンビニ等で容易に入手可能なアルカリ乾電池が使えるURBAN2の安心感は非常に大きいです。
充電池式の場合、事前の充電の際のミスや充電忘れが起こり得ますが、乾電池であればは購入することによりリカバリができます。

Cateye URBAN2 attached to a bike



私自身は多くの日中サイクリングの際にデイライトを点灯しています。
主に、対向車や左折する車にこちらの存在を知らしめることを重視しています。
その場合、夜のように広い範囲を照らすのと異なり、大きなルーメン値で広い範囲を照らす必要はないです。
そのため最近のロードバイクでの日中ライドでは、乾電池式のメリットを考え、もっぱらURBAN2を使っています。

(参考) 基本スペック

名称

品名型番メーカー名
URBAN2HL-EL160Cateye

重量
(実測)グラム数にはバッテリー・アタッチメントの重量を含む。
(公称)グラム数にそれらの重量を含むかはメーカーにより異なる。

(実測)グラム数(公称)グラム数
10183

その他スペック

(公称)防水・防塵等級充電端子バッテリータイプ
IPX7-アルカリ乾電池

(参考) パッケージングおよび本体

パッケージの外観です。
AMPP300と同様に、通信販売では購入できず点灯販売のみとなっています (2022年6月現在)。

Cateye URBAN2 package

本体および付属品一式。

Cateye URBAN2 parts and manual

実測重量は101g。
内訳はライト本体が37g、アルカリ乾電池が47g、固定具(フレックスタイト)が17gです。
従ってライト本体よりもアルカリ乾電池のほうが重量があります。

Cateye URBAN2 weight

アルカリ乾電池よりも軽量なリチウムイオン乾電池を使うと、より軽量で点灯時間も長くできるはずです。ただしメーカーはアルカリ乾電池の利用のみを推奨しています。


メーカーの製品情報はこちらから (実店舗のみの取扱いのため、販売サイトはありません)

品名 (レビューへのリンク)メーカー名 (製品ページへのリンク)販売サイトへのリンク
URBAN2 (HL-EL160)

product image

Cateye (キャットアイ)