公称値以上の極めて安定した光量が点灯終盤まで持続する、安心感の高いライト
「JIS規格に準拠した前照灯」とパッケージ前面に大きく書かれているライトです。
JISへの適合を売り文句としているライトは比較的少なく、実直に作られた製品の印象を受けます。
Contents
総評 〜 点灯開始から終盤まで極めて安定した光量が持続する
後述の計測の結果を踏まえ、まず、このライトの良い点・いまいちな点、およびおすすめできる人について記載します。
✅良い点
・点灯開始から終盤まで極めて安定した光量が持続する
・スペックを上回るルーメン値、点灯時間
❌いまいちな点
・光量・点灯時間・重量を総合的に見た尺度で捉えると平均レベル
いまいちな点もあくまで平均レベルなので、他製品に大きく見劣るほどではないです。
このライトはこういう人におすすめ
ダラ落ちや急減をしない安定した光量を得たい人
偽りのないカタログスペックの信頼感を求める人
長時間(〜9時間)の補助灯用途のライトを求める人
計測結果の概要 〜 光量・点灯時間・重量を総合的に見た尺度で捉えると平均レベル
ライトの計測結果の概要として、(実測)ルーメン総出力・ウェイト・レシオ(LWR)の値を取り上げます。
このLWRは光量(全光束)・点灯時間・ライト重量のすべてを加味した、総合的な性能を表す指標です。
また、LWRを他のライトと相対的に比較した偏差値も記載します。
(偏差値は他のライトの評価結果が増えるにつれ、今後も随時変動します)
モード | (実測) ルーメン総出力 ・ウェイト ・レシオ (LWR) | LWR偏差値 |
---|---|---|
HIGH | 9.24 | 49 |
LOW | 10.77 | 54 |
トータルの出力光量と点灯時間、および重さを加味した性能は他の製品と比較して平均程度です。
点灯時間と平均ルーメン 〜 ともに公称値を上回る
(1) 点灯時間
モード | (公称) 点灯時間 | (実測) 点灯時間 |
---|---|---|
HIGH | 3 | 3.19 |
LOW | 8 | 9.4 |
いずれのモードでも実測点灯時間が公称値を上回っています。
(2) 平均ルーメン
モード | (公称) ルーメン | (実測) 平均 ルーメン |
---|---|---|
HIGH | 300 | 353 |
LOW | 100 | 140 |
こちらもいずれのモードでも実測平均ルーメンが公称値を上回っています。
計測結果の詳細 〜 点灯時間全体にわたって安定した光量を発揮
(1) Hiモード (公称: 300ルーメン・3時間)
実測点灯時間は3時間11分です。
公称値の3時間を充足しています。
特筆すべきなのは点灯終了の直前まで光量が減少せず持続していることです。
しかも、その光量が公称ルーメンより50ルーメン以上高い値です。
(2) Lowモード (公称: 100ルーメン・8時間)
実測点灯時間は9時間24分です。
公称値より10%以上長い時間です。
こちらもHiモードと同様に点灯終了の直前まで安定した光量で持続しています。
かつ、公称値の100ルーメンより40ルーメンほど高い値です。
Lowモードは絶対的な光量は小さいものの点灯時間が9時間以上と長く、ロングライド時の補助灯やヘルメットライトに適していると思います。
まとめ 〜 安定した光量で信頼感のあるライト
実測の平均ルーメン値、点灯時間ともに公称値を上回っています。
かつ点灯終盤まで安定した光量が続きます。
点灯し続けるにつれて暗くなるライトは多くありますが、そのような不安がない製品です。
惜しいのはルーメン総出力・ウェイト・レシオ(LWR)が平均的な点です。
しかし、公称のルーメン・点灯時間に脚色がない値であるため、例えば300ルーメン・3時間きちんと光りさえすればサイクリングの要件を満たす、という場合、このライトのHiモードを使えば問題ありません(注1)。信頼感があるライトです。
(注1)計測は20℃〜25℃にて行なっているため、低温の環境下では点灯性能の劣化を考慮する必要があります。
(参考) 基本スペック
名称
品名 | 型番 | メーカー名 |
---|---|---|
AMPP300 | HL-EL083RC | Cateye |
重量
(実測)グラム数にはバッテリー・アタッチメントの重量を含む。
(公称)グラム数にそれらの重量を含むかはメーカーにより異なる。
(実測)グラム数 | (公称)グラム数 |
---|---|
122 | 117 |
その他スペック
(公称)防水・防塵等級 | 充電端子 | バッテリータイプ |
---|---|---|
IPX4 | Micro USB | 内蔵 |
(参考) パッケージングおよび本体
いまのところ店頭販売限定の品です。ヨドバシカメラで3,640円でした。
「JIS規格に準拠」と謳っているのは、キャットアイのホームページで確認したところAMPPシリーズ5機種のなかではAMPP500と、このAMPP300だけでした(2022/2現在)。
JIS規格(JIS C 9502)では自転車用灯火装置の照射範囲、光度の維持、環境性能(耐衝撃等)などを規定しています。
本体および付属品一式。
実測重量は122g。
内訳はライト本体が104g、固定具(フレックスタイト)が18gでした。
側面からの視認性が得られるよう、ライト前部の横が光ります。
この部分から出る光は今回の測定には含めていません。
このライトは点灯終了まで光量が一定で持続します。
残量インジケータの表示はバッテリー充電や予備機への交換タイミングの見極めに役立つと思います。
最近のキャットアイの乾電池式前照灯と尾灯の一部では防水性能がIPX7の品が出ていますが、本品はIPX4です。
メーカーの製品情報はこちらから (本品は店頭のみの取扱いのため販売サイトはありません)
品名 (レビューへのリンク) | メーカー名 (製品ページへのリンク) | 販売サイトへのリンク |
---|---|---|
AMPP300 (HL-EL083RC) | Cateye (キャットアイ) |
なお、同じキャットアイではAMPP500があり、こちらはAMPP300よりも短時間でより大きな光量を出す製品です。
用途によってAMPP300とAMPP500のどちらを選ぶべきかが変わってきます。以下のレビューを参照願います。
品名 (レビューへのリンク) | メーカー名 (製品ページへのリンク) | 販売サイトへのリンク | |||
---|---|---|---|---|---|
AMPP500 (HL-EL085RC) | Cateye (キャットアイ) |
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